スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | スポンサー広告
-    -

 ピエール・マルコリーニ

ついにというか、とうとう、というか…行ってしまいました。ピエール・マルコリーニ。
チョコレート界の黒船。この銀座のビルはヨーロッパの中都市の旧市街にある建物のように間口が狭く、外壁もチョコレート色に塗装されており入る前から期待させられます。店員に声をかけて持ち帰りの行列(もう見飽きました)を横目に店内に案内されます。この店は店員の教育が行き届いており、メニューの多くはは季節外だったり、品切れだったりするんですが何故か腹が立ちません。学生時代にクラブでバーテンをしていたことがありますが、客と喧嘩になりそうになったこともあるので同じ接客業経験者として恥ずかしいばかりです。もっとも客層は全然違うんですが。

 さて店内に通されると間口の狭い店舗の奥のほうにこれまた幅の狭い階段があります。人同士がすれ違うのも困難なその寸法は、まさに私がアムステルダム旧市街のユースホステルで体験したベネルクス仕様そのものでありました。ただ、本物のベネルクス仕様は階段も建物も傾いています。オランダは干拓地、銀座は埋立地ですがこれは真似しなくてもいいですね。2階に上がるとテーブル席とカウンター席で構成された空間になっていました。この瞬間、ほんの十数秒間のベネルクス諸国への旅から我が母国日本への帰還を果たしました。…天井が低い。着席しないと頭上からの圧迫感を感じるこのミニマルな感覚は茶室を意識したわけではなさそうですが、着席すると、狭いながらも落ち着くことができました。メニューは閉店間際ということもありホットチョコとあともう一つしかありませんでした。オーダーが終わるとカウンターの中で女性の従業員が何かをこね回しています。どうやらかなり粘度がつよい飲み物のようです。しかもかなり体力を消耗する作業のようです。われわれのまえにその労力の結晶が出されたとき、カカオの心地よい香りとともにこね回した人のソウルが立ち上っているように感じられました。
 
 スプーンを差し込んでみるとかなりの粘度。これは飲料というよりはペーストです。ホットチョコといいますが市販の板チョコを溶かしてもここまでの粘度にはならないでしょう。軽く一さじ口に運んでみる…イタリアンジェラートのようにさらりと溶けて滑らかな舌触り…にはなりません。最後までしつこく舌に絡みつきます。そして口の中であのカカオの香りがずっと残ってくれます。食べるとも飲むともいえない感覚…水で口の中を潤しながら口に運んでいくさまはインドカレーの様でもあります。しかしながらデパ地下の国産品の贈答用チョコレートでは味わえない豊かな香りにはこの程度の粘度がふさわしいのかもしれません。あと、甘さの調節ができればな、とも思いました。私の場合もう少し甘みを抑えてカカオの香りそのものを楽しんでみたかったような気がします。しかしながら全体的に満足です。あの濃厚さで150mlを完食できたのは美味しさ以外の何物でもないでしょう。
 
そもそも一部の日本人チョコレート職人を除いて、国産品チョコレートのほとんどはEU内では「チョコレート」と表記して販売することができません。カカオの純度が低く、またカカオバターの代わりに植物油脂を使っているため、品質の最低基準を満たしていないからです。量産品で比べると輸入品のコートドールのタブレットなら、国産品の板チョコとグラムあたり1割か2割しか差がありません。送料を差し引けば輸入品のほうが安い計算になります。いままで高くて大して美味しくないものばかりが流通していたのですから輸入チョコレート屋だったり海外製板チョコに人が殺到するのは当然の事だと思います。ですから私はこれはブームでなく反動のように思います。30歳で独立し、40歳になったばかりのこの若い黒船を歓迎したいと思います。日本メーカーの巻き返しにも期待しましょう。

IMG_1390.jpg

(著者撮影)
03:28 | グルメ
comment(0)     trackback(0)
comments
comment posting














 

trackback URL
http://tfukit.blog2.fc2.com/tb.php/14-0b907d2b
trackback
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。